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私が彼をリアルタイムで見たのはテレ朝の明智小五郎シリーズだ。まだ小学生だったと思う。恐らく再放送。必ず裸のシーンがあったような気がする。それがウリだったかどうかは知らないが、何しろ印象に残っている。
殺人シーン。バスルームでシャワーを浴びている女。背後から迫りくる人影。振りかざされるナイフ、そして女の悲鳴。シャワーの水(お湯?)が赤く染まり排水口へ・・・。
「サイコ」ばりのシーンなのだが、エロチックが先行する。それは何故か?やはりシーンの始まりが女の足元からオシリ、胸までカメラがなめまわし(ちょっとやらしいね。)てから女の顔が写しだされるからだろう。
あれ、何の話だっけ?そうそう天知茂ね。晩年の仕事はテレ東の「Aカップ、Bカップ、Cカップ」だったと思う。そんな番組をやっていた。水着かなんかのキャピキャピ娘に囲まれてのコントやらなんやらをやっていた。そして間もなく亡くなったような気がする。
だから私の天知茂のイメージはニヒルでエロチックなおじさんなのだ。
大映時代の彼はとってもニヒルだった。『座頭市物語』(1962)と『眠狂四郎勝負』(1964)はおさえておきたい。あえてどんな内容かは話しません。レンタルされているはずなので、自分の目で感じていただきたい。そもそも作品の良い悪いは個人で違うわけでみんながみんな大好きというものはそうあるもんじゃござんせん。だから天知茂を生理的に受けつけない人は必ずいるわけです。でも食わず嫌いはいけません。とりあえず観てみましょう。
私はずっと彼は大映でデビューしたものと思っておりましたんですけども、数年前間違っていることがわかりました。彼は1951年に新東宝スターレット(いわゆるニューフェイス)として入社し、デビューしていたのです。
その頃の中で私が観たものは『女王蜂の怒り』(1958)です。「女王蜂シリーズ」の二作目。これは藤純子が演じた緋牡丹博徒のひながたともいえる女任侠もの。天知茂は白髪で口ひげをはやした敵役やくざのお頭。
新東宝の末期は大蔵社長の「エロ・グロ・ナンセンス」がウリで、この作品でも主役の久保菜穂子が天知に眠り薬(こっちの方が睡眠薬よりピンとくるでしょ)を飲まされ隣の部屋に用意された布団に運ばれてごちそうさまされちゃいます。そんなシーンがパラパラあります。(時代劇のお代官様が町娘を手込めにするシーンはここから始まったのではないか?)出演は他に宇津井健(裕次郎を意識している感じ)中山昭二(ウルトラマンの隊長)高嶋忠夫、菅原文太(端役)三原葉子、そして新東宝といえば高倉みゆき。なかなかレンタルビデオで置いてないと思われますが、オススメです。(私のいきつけにはありました。)
そして中川信夫監督の『東海道四谷怪談』(1959)と『地獄』(1960)はホラー好きにとっては通らなければならない道でしょう。新東宝映画の独特の粘っこい作品に彼はピッタリはまっている。やはり私にとって天知茂はニヒルでエロチックな役者なのだ。